計量政治学文献案内

■ Last Modified 2008/11/02 15:00 ■

  1. 政治学における計量分析の意義と目的
  2. 生存時間分析と社会科学
  3. ソフトウェア/マニュアル
  4. Appendix 1 : 統計のウソ

政治学における計量分析の意義と目的

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統計学的な手法の社会科学への応用は,おおよそ 1900 年初頭から進みはじめた.政治学ではとりわけ 1950-60 年代の「行動科学革命期」と呼ばれた時期に,主にシカゴ大学の政治学者たちによって推進された.現在では,計量的な手法は政治学で広く受け入れられるようになった一方で,その導入当初から,その意義と限界について様々な議論がなされている.

ところで,行動論政治学は,その性質として政治現象の数量化という傾向を持っていたため,「行動論政治学=計量政治学」ととらえられることが多かったが,行動論政治学がすべて計量分析であるというわけではない.また,計量分析は現在,行動論革命当時からの連続性がある一方で,理論的にはある種の断絶も存在する.同時に,現在では行動科学に基づかない計量分析も数多く存在する.このため,現在の計量的な分析一般をさしてを「行動科学的」な分析と称することはできない.

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おおざっぱに言ってしまえば,社会科学における計量分析は因果関係を明確にするための科学的推論の方法である.実のところ,その目的に関してすべての研究者の間で合意ができているわけではないが,この立場に立った方法論的な議論の入門編としては,高根正昭(1979)がよく参照される.これは,著者のアメリカ留学の体験を交えながら,そこでふれた実証研究の手法や,方法論的な議論を中心に解説する.統計や社会調査に限ってならば,谷岡一郎(2000)が基本的な論点と問題点をよく押さえている.

上記 2 冊は新書で手軽に読めるが,もう少し専門的な議論ならば,今田高俊編(2000)の社会科学方法論の教科書がいろいろ手法に広くふれている.この中の 5 および 6 章が計量分析にあてられている.また,数理社会学会編(2006)では社会学で現在使われることの多い統計手法を一通り解説している.

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それでは,政治学者は計量的な手法を政治学方法論の中でどのように位置づけてきたのか.中谷/足立編(1994)の 13 章,森脇俊雅「実証政治理論の現代的展開」は過去 50 年間の理論的動向の一通りの流れを簡単に解説する.アメリカ政治学を中心とした,政治学における方法論の現状の見取り図を作るには Johnson and Reynolds (2007) が具体的な研究に言及しているため参考になる.

国際関係論の分野では,岩田他編(2003)の 9 章に,山影進による「国際方法論」がある.また,青山学院大学大学院の方法論教育の経験をもとにした武田興欣(2004)も参考になる.

より専門的な論考は,年代順に,まずは年報政治学(1977)の山本吉宣「行動論以後の計量政治学」,猪口孝(1996)の「計量政治学の問題と展望」,年報政治学(1999)の鈴木基史「政治学における計量分析の問題と展望―選挙研究を事例に」などがある.また,日本選挙学会ではここ数年,毎年方法論部会が設置され計量的な手法(に限らないが)を中心に議論されている.

アメリカ政治学会では,方法論部会が独立して存在し,専門の雑誌 Political Analysis を発行している.また,同部会サイトではシラバス,ワーキングペーパーなどが公開され,メーリングリストでは活発に情報がやりとりされている.

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計量的な手法はどのように勉強をすればよいのか.基本的には確率や統計,微分積分,線形代数,非線型代数などを一通り勉強する必要があるが,それはまた別項で.社会科学における統計の利用を意識したものとしては,松原望(2004)と佐伯胖/松原望編(2000)がまずは良いと思うが,確率や統計の知識が全く何もない場合は難しいかもしれない.

政治学者による教科書としては,W. Phillips Shively (2007) がある.本書は統計学的なロジックの基本的な考え方とリサーチデザインの立て方が中心であり,数学的な議論には踏み込んでいないが,最初はこういった教科書からはいるのも良いかもしれない.Pennings, Keman and Kleinnijenhuis (2005) は主に比較政治学を中心として計量分析の目的と長所を解説をする.日本語では,2004年11月に増山幹高と山田真裕の共著で初の計量政治分析の教科書が出版された.ちなみに本書はExcelおよびSPSSでの分析の方法を解説しているが,サポートページで STATA と R 版が入手できる.

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データはどうやって入手するのか.海外では,様々な国際機関や研究者が行った調査のデータアーカイブがそれなりの歴史を持ち,同時にセミナーなどを開き,分析手法・教育法などの蓄積も進んでいる.日本でも,最近はデータをある程度オープンに蓄積していこうという動きが近年始まった.その一つである東大の社会科学研究所の取り組みと意義,また分析手法などが,佐藤博樹/石田浩/池田謙一編(2000)にまとめられている.また,当サイト内のリンク集「計量分析」と「統計リソース」も多少参考になるかもしれない.

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冒頭でも触れたが,政治学への計量的な手法の導入をめぐっては様々な論争が生じ,当時の政治学コミュニティで一定の地位を認められるにはしばらくの時間を要した.計量的な手法を政治学に導入するにあたって主要な役割を果たした行動論の主導者の一人であった David Easton は,ベアー/ジューエル/サイゲルマン編(2001)のインタビューの中で,1950年代後半,彼ら行動論的な政治学によってたつ研究者が,

「アメリカ政治学会の年次大会において,プログラムから組織的に排除されるように思えた状況にこれ以上耐えなくてはならないのかどうか,あるいは耐えられるかどうか,私たちは疑問を持ち始めていました」(p.321)

と,当時を振り返る.

状況が変わり,イーストンがアメリカ政治学会の会長に就任するのが 1968-69 年であるが,このころになると今度は政治思想などを中心とした研究者たちが,行動論政治学の隆盛を不満に思い,アメリカ政治学会内部で独自の運動を形成していた(この辺の事情に関して以前何かの日本語の文献で読んだのですが,何に書いてあったのか思い出せません.心当たりがある方はご一報を).

行動論政治学に寄せられた批判の主なものは,それが価値の問題に無関心であること,現状の分析に終始する経験的保守主義,そして行き過ぎた「科学的手法」重視が,政治学の現実からの乖離をもたらすとの三つであった.第 65 回アメリカ政治学会でイーストン(1969)が行った会長演説は,当時激しかった行動論的政治学へのこれらの批判に答え(屈したともとらえられた),自ら従来の行動論政治学を批判し,そこからさらに一歩前進しようとするものであった.これは一般に「脱・行動論革命演説」とよばれ行動論・反行動論者の両方の間で賛否を巻き起こした.イーストンの行動論者としての主要著書の一つである『政治体系』の第二版では,エピローグとして上記演説と,「政治分析における連続性―行動論と脱行動論」の二編が付されている.

話はとんで現在,計量分析やその他の方法論や分析手法は,政治学の中で何がどの程度使われているのか.アメリカ政治学会の発行する PS: Political Science and Politics の Bennett, Barth, and Rutherford (July 2003)では,AJPS,APSR,CPS,CP,IO,ISQ,JCR,JoP,PSQ,WP の政治学の複数のサブフィールドを含むジャーナルに掲載された論文から,数理モデル,計量分析,事例研究が,政治学研究の中でしめる割合の時系列的な変化を追った.その3手法の変化だけを見れば,数理モデルが比較的独立した変化を示しているのに対し(80年代にピークに達し,2000年現在まで低下傾向),計量分析(全般的に上昇傾向)と事例研究(全般的に低下傾向)の変化はかなり連動している.日本の傾向は,IR 分野に限ってだが,Inoguchi and Becon (2001) が欧米と比較する形で分析をしている.

ちなみに,アメリカ政治学会で10年に1度ほど編集される Political Science: State of the Discipiline の2002年版では,分析手法のセクションにフォーマルセオリーはあるが,計量分析は単独項目ではなくなっている.

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ところで,量的研究法 (quantitative) としばしば対比される手法に,質的研究法 (qualitative) があり両者は時として対立する.量的研究法によってたつ研究者が,しばしばその手法を研究対象とは独立して成り立つものと考える傾向があることに対し,質的なアプローチは,研究法とは対象と密接不可分であると考える傾向がある.そして,政治学が対象とする現象の多くは,量的研究法が依拠する統計的な世界観では捉えることが出来ないと批判する.

その批判に答える形で,King, Koehane, Verba (1994) (邦訳,2004)は,量的研究であれ質的研究であれ,優れた研究は同様のロジックに依拠していることを,「統計学的な世界観」から示そうとした.日本では,2004 年に真渕勝監訳で翻訳が出版されている.余談だが,一説によれば本書はほとんど Gary King によって執筆された.しかしその草稿を読んだ Keohane と Verba がより広い層に読まれるようにと,知名度のある自分たちの名前を貸したとの逸話がある.それが本当かどうかわからないが,本書は,著者たちの名前の頭文字をとって KKV との愛称でよばれ,基本的な教科書として広く採用されると同時に,その内容に関して,APSR や IO 誌上で繰り返し論争が起こった.2004年には,それらの論争を一冊にまとめた Brady and Collier (eds.) による Rethinking Social Inquiry が出版された(邦訳,2008).

(つづく?)

生存時間分析と社会科学

観測対象にあるイベントが生じるまでの時間を従属変数とする分析手法.主に危険工学や医学の分野で発展してきた手法で,社会学や政治学では Event Hisotory Analysis(EHA)という言い方をすることが多い.概要は 2.B.A. Statar の Event History Model を参照.

教科書には浜島信之(2000)がある.生存時間分析だけの教科書ではないが,Coxの比例ハザードモデルがロジットモデルと比較して書かれているので政治学者には意外に理解しやすいかもしれない.一冊買うなら本書だと思う.SAS での利用法としては大橋靖雄・浜田知久馬(1995)など.Excel での学習用教科書である打波守(2005)はわかりやすいが,社会科学系への導入としてはイマイチ.社会科学系への導入の一般的な説明と概要は清水剛(2000)がわかりやすい.社会学分野でよく言及される定番の教科書としては Allison (1984) がある.

政治学では80年代頃からちらほら利用例がみられるが,増加したのは90年代になってからか.2004年に社会科学での導入の教科書として Box-Steffensmeier and Jones (2004) が出版されている.論文では Box-Steffensmeier and Jones (1997),Bennett (1999) などが手法の解説と政治学における導入例を紹介している.実際に自分で分析を行うには,Box-Steffensmeier の Ohio 州立大学での講義 Political Science 867: Event History の講義ノートと,エセックス大学 ISER の Survival Analysis with Stata: Course EC968 を参照するのが早い(どちらも STATA を利用).

以下は政治学で EHA が利用されている研究論文の一部です.実際にはもっとたくさんあるんですが,とりあえず手元でぱっと見られるものだけ.その中でも手法に関する解説が充実しているのは伊藤(2002)や増山(20022003),福本(2007)などがあります.情報は随時募集.

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ソフトウェア・マニュアル

MS Excelなどの表計算ソフトでもある程度行うことが出来るが,より専門的な分析には統計パッケージ(統計解析用のソフトウェア)の利用が便利である.ここでは,主要な統計パッケージのマニュアルなどを紹介する.

というか,内容が大分古くなってきてしまいました.STATAのみ2008/11/2に追記しました.

STATA

まずは日本語でフリーで読めるものとしては.

ネコでもわかるStata入門 [PDF]
別所俊一郎氏による STATA の入門向け解説.
http://www.econ.hit-u.ac.jp/~bessho/paper/02/stata1.pdf
経済分析のためのStata入門
松浦寿幸氏による作成・公開.「経済分析のためのStata入門」と「Stataによるパネルデータ分析」が公開されている.
http://park1.wakwak.com/~mt_tosiyuki/web-page/stata-index.html

日本語でのマニュアル本も大分増えてきました.

増山 幹高,山田 真裕,2004. 『計量政治分析入門』,東京大学出版会 [amazon]
本書で扱っているのはExcelとSPSSの操作方法であるが,サポートページでSTATAとR版が公開されている.具体的な政治現象を対象とし,それを分析するための一例として手法を紹介するという構成である.主に扱っているのは平均値の比較,クロス表,相関分析,最小二乗法,分散不均一,系列相関,ロジスティックなどである.
筒井 淳也ほか,2007. 『Stataで計量経済学入門』, ミネルヴァ書房 [amazon]
計量経済学で使われることの多い手法のイントロダクション.基本的操作やデータの管理の他,記述統計,回帰分析,カテゴリカルデータ,時系列データ,パネルデータ,生存分析などを扱う.
東尚弘ほか,2008. 『臨床研究のためのStataマニュアル』,iHope [amazon]
医療関係者を主な対象とする.少々入手しにくいので購入は版元に問い合わせるのが良さそうか.基本的な操作方法の他,2群間比較,カテゴリカルデータ,回帰分析,ロジスティック,生存時間分析,メタ分析などを扱う.
石黒 格編,2008. 『Stataによる社会調査データの分析―入門から応用まで』,北大路書房 [amazon]
社会心理学系の著者が中心.基本的な操作方法の他は,相関・連関の検討,回帰分析,平均値の比較,合成尺度の作成,クラスター分析,ウェイトの利用など.

英語版で定番の(かどうかは分かりませんが界隈でよく紹介される)解説書はこの2点.

Lawrence C. Hamilton, 2008. Statistics With Stata, Duxbury Press [amazon]
STATA には膨大なマニュアルと,スタート用のチュートリアルがついてきます.チュートリアルでは物足りないが,いきなりマニュアルをひっくり返す気にもならないという人に.基本操作と一通りの分析を行うことが出来るようになります.2005年版以来ようやく新版が出ましたが,いつも新バージョンに対応した版出る頃にはSTATAのバージョンアップもあるような.
Sophia Rabe-Hesketh and Brian Everitt, 2007. A Handbook of Statistical Analyses Using Stata, Chapman & Hall/CRC [amazon]
こちらはバージョン9対応版.上記本に比べれば実例が多い.

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統計学

ロウントリー(加納 悟)2001. 『新・涙なしの統計学』(新世社)
統計学の定番的な入門書.特に数学的な知識を前提とせずに,統計学的な考え方を解説する.練習問題などもあり,自分では統計学を使わない人にもおすすめ.旧版と新版では,版自体が変わっているわけではない.違いは,誤訳やわかりにくい訳の訂正と,訳者による補足説明がついてるあたり.
吉田寿夫,1998. 『本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』(北大路書房)
統計学を言葉で理解するという目的で書かれている.もっとも易しい教科書のうちの一冊.
宮川公男,1999. 『基本統計学』第3版(有斐閣)
政策科学の基礎』や『政策科学入門』で有名な著者の書いた統計学の入門書.
東京大学教養学部統計学教室,1991. 『統計学入門』(東大出版)
東京大学教養学部統計学教室,1994. 『人文・社会科学の統計学』(東大出版)
東北大学統計グループ,2002. 『これだけは知っておこう!統計学』(有斐閣ブックス)
名前からして入門書に見えるが,実は,経済学の分析のために最低限必要な統計的手法という意味での「これだけは知っておこう」という趣旨で書かれている.そのため,統計学の入門書とは少々趣が異なる.

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計量経済学

山本拓,1995. 『計量経済学』(新世社)
統計学と計量経済学の橋渡し的なレベルの入門書として定評がある.同じ著者による『経済の時系列分析』も,出版年から最近の成果が反映されていないものの,わかりやすさで定評がある.
森棟公夫,1999. 『計量経済学』プログレッシブ経済学シリーズ(東洋経済新報社)
学部レベルの入門書.Excel および TSP の操作法の基本的な解説も同時に行う.著者のサイトで修正やデータセットが入手可能.
浅野皙・中村二朗,2000. 『計量経済学』(有斐閣)
初級から中級向けの教科書.このレベルの教科書としては比較的高度な手法まで網羅され,かつわかりやすく解説されている.
Jeffrey Wooldridge, 2002. Introductory Econometrics, South Western College Publishing.
計量経済学の入門用教科書.用例で使われているデータがすべてダウンロード可能であり,なおかつ実際の経済の専門誌で使われたデータであるため,分析のイメージがつかみやすい.著者が教鞭を執るMSUの院生,前田さん曰く,

ということで,普通のOLSを勉強するにはこれが最適だと思いますが(僕は回帰の教科書を7冊だったか持ってますが,そのなかで一番だと僕は信じてます),ただ,最尤法・時系列・同時方程式などの内容の取り扱いは,グジャラティなどよりも下のレベルで終わっていて,「この点についてはこの本の範囲を超えるので扱わない」という但し書きが終わりの方の章でよくでてきます.

表題の通り,Introductoryということで.

とか.同じ著者の Econometric Analysis of Cross Section and Panel Data は最近の大学院の教科書として定番.
Damodar N. Gujarati, 2002. Basic Econometrics, McGraw Hill College Div.
経済学部での学部上級向けの教科書.ICPSR の回帰分析入門のクラスでも教科書として使われていて,2002年の参加者からは絶賛.今年(2002年)になって第 4 版が出版.
G.S. Maddala, 2001(3rd ed). An Introduction to Econometrics, John Wiley and Sons Ltd[G.S. マダラ(和合肇訳)1996. 『計量経済分析の方法』第2版(シーエーピー出版)].
経済学の院生によれば,Maddala をやって Green の Econometric Analysls へと進むのが計量経済学の定番なんだとか.でも,政治学の院生でそれをやると消化不良になる(かもしれない).どちらも翻訳あり.2004年に出版社と訳者を変えて第3版の翻訳がでている.
畠中道雄 1996『計量経済学の方法』改訂版(創文社)
日本語の教科書で中級レベルへの橋渡しとしては定番だそうです.
Lawrence C. Hamilton. 1992. Regression with Graphics, Duxbury.
http://www.ats.ucla.edu/stat/examples/rwg/から本書で使われているサンプルデータが入手できる.
W. H. Greene, 2002. Econometric Analysis, Prentice Hall. [グリーン 2001『計量経済分析』改訂4版 I・II(エコノミスト社)].
大学院レベルの計量経済学の定番的教科書(らしい).国際学生版(3500円ぐらいだった気がする)があるので,極東書店などの洋書取次店から入手するのが良.日本語版はあまりに高い….
Johnston, J. and J. DiNardo 1997. Econometric Methods, 4th. ed., McGraw-Hill Inc.
古くからある定番の教科書(らしい).端折ってあるところが多すぎて,一人で勉強するには向かないような.翻訳が『計量経済学の方法』(上・下)として東洋経済新報社より出版.
Davidson, R. and J. G. MacKinnon 1993. Estimation and Inference in Econometrics, Oxford University Press.
Hayashi, F. 2000. Econometrics, Princeton University Press.
比較的最近の経済学のトピックを中心に解説した教科書.Datasets for empirical exercises in Econometrics から本書で使用されているデータセットを入手できる.また,Princeton University Press から Preface,Introduction,1章をダウンロードできる.

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計量政治学

Gary King, 1998. Unifying Political Methodology : The Likehood Theory of Statistical Inference, (Techniques in Political Analysis), University of Michigan Press.
タイトルの通り,尤度理論から政治学における計量分析に適したモデルのあり方を考える.ミシガン大学出版の Techniques in Political Analysis というシリーズなのですが,数年間この1冊のみ.
川人貞史,1992『日本の政党政治1890-1937―議会分析と選挙の数量分析』(東京大学出版会)
衆議院候補者選挙区統計と議会に関する様々な指標から,1889-1937年の日本の政党政治を分析する.データは LDB で公開されている.
『変動する日本人の選挙行動』シリーズ(木鐸社)
1993年参院選直前から1996年衆院選直後まで,7波にわたって実施された「投票行動の全国的・時系列的調査研究」の研究成果.この研究データは木鐸社の「レヴァイアサン・データバンク」ないしは当サイト内の「JES2データ・クリーニング版1公開ページ」から入手できる.
  1. 蒲島郁夫,1998. 『政権交代と有権者の態度変容』
  2. 綿貫譲治/三宅一郎,1997. 『環境変動と態度変容』
  3. 小林良彰,1997. 『日本人の投票行動と政治意識』
  4. 池田謙一,1997. 『転変する政治のリアリティ』
  5. 三宅一郎,1998. 『政党支持の構造』
  6. 蒲島郁夫/三宅一郎/綿貫譲治/小林良彰/池田謙一,1998. 『JES II コードブック』

メモ

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REFERENCE

政治学

The Society for Political Methocology Working Papaes
アメリカ政治学会方法論部会のワーキング・ペーパー.計量や数理分析の方法論に関する大量のペーパーがダウンロードできる.
http://polmeth.wustl.edu/papers.html
Political Analysis
上記部会の編集する雑誌.ここで公開されている分はオンラインでの閲覧可能.
http://polmeth.wustl.edu/pa/pa_main.html

経済学

大阪大学大学院での学習に備えて(経済学専攻)
Y氏によると,日本で初めてコースワークを確立した経済学部の大阪大学.同大学院教員による,大学院進学のために必要(必須)な経済学の基礎知識を身につけるための文献案内.
http://w3iser.iser.osaka-u.ac.jp/~ohtake/lecture/ingakushu.htm
A Distant Learning Course on Discrete Choice Methods with Simulation
http://elsa.berkeley.edu/users/train/distant.html

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Appendix 1 : 統計のウソ

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Appendix 2 : 数学の復習

中学数学

チャート研究所『チャート式シリーズ』(数研出版)
中1数学」,「中2数学」,「中3数学」各学年一冊ずつ.解説が詳しいと定評があるのだとか.中学数学は密度が薄く,2-3週間程度あれば全課程の復習が出来るので,一気にやってしまうのがいいそうです.

高校数学

武藤徹,1998. 『体系が見えてくる数学読本』(1)(2)(3)(三省堂)
1巻では「代数学・幾何学」,2巻では「線形代数学・解析学」,3巻では「微分積分学・統計学」を扱う.高校生ではなく,数学から離れてしまった学生や社会人などを対象とし,数学全体の俯瞰図を見て取るための教科書.
野崎昭弘・何森仁・伊藤 潤一・小沢 健一. 『数学の風景が見える』シリーズ(ベレ出版)
微分・積分の意味がわかる」(2000),「統計・確率の意味がわかる」(2000),「数と計算の意味がわかる」(2001)からなる.社会人などを対象とした,その計算の意味や,ニュアンスがわかるような理解を目的としたシリーズ.が,それが実際の計量分析で役に立つかどうかは疑問.

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現在地

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Created on: 2002/03/17 23:00 JST